圧倒的なレアアース埋蔵量を誇るバイユンオボ鉱床は、鉱質が地表に露出している状態で採掘コストがかからず、レアアースを他の鉱床より安く販売することができるため、レアアースの価格を大幅に下げ、世界各国のレアアース鉱床を休止や採掘量削減に追い込みました。
つまり、レアアースのほとんどが中国に埋蔵されているのではなく、世界各国に鉱床は存在しているということになります。
2011年にUSGS(米地質調査所)によって確認された世界各地のレアアース埋蔵量は以下の通りです。
- 中国:約5500万トン
- CIS諸国:約1900万トン
- アメリカ:約1300万トン
- インド:約310万トン
- オーストラリア:約160万トン
この他の地域を合計すると、世界中のレアアースの埋蔵量は約1億1000万トンに上ると推測されます。
これに加えて、今年7月には、東京大学の研究チームが、太平洋の海底に地上の約800倍から1000倍に相当する約1000億トンものレアアースが埋蔵されていることを突き止めました。
この埋蔵量は、サンプリング地点1平方kmの推定埋蔵量が世界の年間消費量の5分の1に相当することからはじき出されました。
これらの埋蔵レアアースを商業ベースで採掘することができるかどうかについては、まだ研究の余地がありますが、現在、新たなレアアース供給源として、たいへん大きな注目を集めています。